対人援助職のプロが考えるお母さんケア 〜ケアする人のケアを語ろう

10月 18, 20192

 

 キッカケは一言の問いでした。
 ー「対人援助職の人はケアしてばっかりで、大変じゃないですか?」

  そう、ケアするのが仕事の対人援助職。看護師・保健士・助産師・教員・ソーシャルワーカー・ヘルパー・心理士・ボランティアなどいろいろありますが、ストレスはたまらないのか?  もちろん、たまります! 

  では、ケアのプロはどうやって自己管理をしているの?? その問いに対する答えは
ー「ケアのプロは、案外自分もケアされることがうまい!」
ということに尽きるのではないでしょうか。

 こんなキッカケから、私たちは、日頃お子さんのケアをしているお母さんお父さんにメッセージを送ろうと思い立ちました。題して、「ケアする人のケアを語ろう」。

 普段、子どもの世話をし、必要なものを与え、成長を促し、支えることに心を砕いているお母さん。お母さんは、普段からケアをする人のマインドを身につけていることが多いです。では、お母さんは誰からケアしてもらっているのでしょうか? ケアする人のケアはどうしたらいいでしょうか? 

 当イベントでは、4人の登壇者がケアのプロの目線からお母さんのケアについて語ります。登壇者は元あるいは現在、対人援助に携わってきた4人のエキスパート。さらに共通点は、全員現役のお母さんプラス、ボランティアで「お母さんケア」を行なっているということ。まずはいつもの生活を振り返りながら「自身がどうケアされているか」「自己ケアの方法」などを、具体例を挙げながらシェアしていただきます。また、ケアする・されるのバランスや、「周りにケアさせる」秘訣や、対人援助職でケアについて考えされられたことなどをお話しいただきます。

 登壇者は海外の「お母さんコミュニティ」の中心的なメンバーとしても活躍中です。海外のオンラインネットワークは年々増えており、海外在住者にとってはなくてはならないセイフティネットとなりつつあります。その中でもグローバル、ローカル共に、もっとも活発なのが「お母さんコミュニティ」。海外ならではの助け合いのネットワークをうまく利用するコツについても語っていただきます。

 お母さんイベントによくある「子どもをいかにケアするか」「子どもの心にいかに寄り添うか」とは一風趣向の変わった「お母さん自身」についてのイベント。4人の本音トークにたくさん笑って、何かを持って帰れること請け合いです! お母さん・お父さん以外のご参加も大歓迎です。

 

プログラム
21:00  はじめに​​
21:05  クロストーク
22:05  交流会 ドリンクとお菓子のご用意はできませんが、おもてなし気分で開きます。
22:45  終了。

※時間は日本時間です。
※クロストークは、登壇者のみが画像をオンにし、レコーディングさせていただきます(参加者の顔は写りません)。
※交流会はオフレコになります。

 

登壇者​
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西川直子

30歳で助産師に。 出産後、夫の駐在でタイ、イギリス、スペインと移り、現在イギリス在住。

タイで次男を出産した後から、資格を生かしておうちでママと子が集まる場を開催し、おしゃべりの大切さを実感。
☆おしゃべりでママが元気に。 ☆ママが元気なら子どもも嬉しい ☆ママが『私はこれでいい』と思えたら、子どもも『ボク/私はこれでいい』と思える。 ☆誰もが私はわたしのままでいいんだって思える世界をつくりたい。
そんな思いで、世界のママが集まるオンラインカフェを2年前にスタートさせました。

 

​ロケタミコ

ベルギー在住。日本で15年看護師として勤務。2014年ベルギー人の夫、息子2人と共に渡伯。その後、勇気づけ講師を取得し、子育て・人間関係・海外生活におけるメンタルヘルスを中心にメール相談や講座を開催している。

また、夢を実現させたい女性に向けて起業コンサルタントとして活動、4カ国のリーダーと共に「バイリンガル・日本語継承を目指す親の会」主催。

 

​苅部ミュア智美

2000年よりシドニー在住。娘2人。
「海外こころのヘルプデスク24時」相談員、NPO法人「リスニングママ・プロジェクト」リスナー。

2017年よりコミュニケーションや「聴く」ことを学ぶ。人は話すだけで力を取り戻すことを自分でも経験し、リスナーとしても話し手が元来持っている生きる力を取り戻す場面に立ち会っている。話すこと、聴くことは日常でできるエンパワメント(双方が力を得られる)。コミュニケーションを通して自己肯定感(生きて息をしているだけで存在意義があると思える)も高まります。誰でも力を持っています。でも発揮できないこともあります。元気でいられるためにはまず自分のケアから!

 

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えむ

海外生活3年目×駐在妻×専業主婦×元小学校教諭。

2回の転職を経て、小学校教諭を実質約10年間務める。通常学級担任、特別支援学級担任を経験、2016年度 特別支援コーディネーター養成研修受講修了。教職最後の年に、子供たちや保護者の方々からの相談や面談に多く携わり、絡まった糸を一緒にほどいていくような時間を共有することに強いやりがいを感じるようになった。夫の海外駐在帯同を機に退職。2017年4月より、夫と2人の小学生の子供と海外生活をスタート。現在は、学校を真ん中において、子供、保護者、教師の関係をよりよいものにしていくための活動をすべく、ブログを通じて無料教育相談アラスク(around school)を行っている。
2018年11月より、ヘルプデスク相談員として活動中。

 

司会進行
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秋田まき

アメリカテキサス州在住。海外生活・国際恋愛専門カウンセラー、「海外こころのヘルプデスク24時」発起人。

京都大学教育学研究科博士課程修了・博士号(教育学)。駐在員家庭に育ち、留学・国際結婚を通じてオランダ・フランス・メキシコで暮らす。メキシコシティ日本人学校元スクールカウンセラー。海外在住者へオンライン心理カウンセリングを行う傍ら、2018年6月に非営利相談機関「海外こころのヘルプデスク24時」を立ち上げる。

海外生活・国際恋愛専門カウンセリング
https://www.kaigaisoudan.com

 

イベントについて

開催日  日本時間 2019年10月8日(火)​ 21:00pm-​22:45pm(終了しました)
場所   Zoom上のオンライン会議室​​
定員   50名
参加費  無料
対象   子育て中の親御さん、お母さん支援に携わる方。
主催   非営利相談機関「海外 こころのヘルプデスク24時」
ご注意
・レコーディングは公開されることがあります(交流会を除く)。
・お申し込みいただいた方に、当日のミーティングURLをお教えします。
・Zoomが不安な方のために、当日10分前から会議室をオープンにします。
・開始後はZoomの操作についてのお問い合わせにはお答えできません。
・途中退出は自由です。
・プログラムは予告なく変更になることがあります。

 


イベントレポート(動画あり)

「対人援助職のプロが考えるお母さんケア 〜ケアする人のケアを語ろう」

​テキスト:Masako

2019年10月8日に『対人援助職のプロが考えるお母さんケア~ケアする人のケアを語ろう』というテーマでトークイベントが開催されました。

今回のイベントではオンラインでお母さんたちを応援する4人の女性に、ケアする側である自分のケアについて話してもらいました。参加者は「世界のママが集まるオンラインカフェ」主催の西川直子さん、「バイリンガル・日本語継承を目指す親の会」主催のロケたみこさん、「リスニングママ・プロジェクト」のリスナー​苅部ミュア智美さん、「無料教育相談アラスク」主催のえむさんです。

対談では、育児や子どもをケアする立場の人(看護師、助産師、教師など)ほど自分の育児に躓きやすいといった話や、ケア職の人は他の方のケアを優先するあまり、自分へのケアが後手後手になってしまうイメージがあるといった話がでました。

そこから「母親という仕事」についての話となり、仕事だと報酬や感謝があるけれども、母親の仕事はやって当たり前の状況で見返りが無い事が多く、満たされなくて欲求不満なところがある。といった意見が出ました。

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子育てをすることは次世代の子供達を育むというすごい仕事であり、海外で子育てしているだけで本当にすごいのに、そこに気づかず無価値感から脱せない人も多く、お母さん達の間には、自分が自分のケアをすることに罪悪感を持っている人も居るという参加者からの意見も出ました。
司会のまきさんがそれぞれに、自分のケアについて質問をすると、「自分が何をしたらご機嫌になれるかを知る。」「やりたいことをリストを書きだす」などどうしたら自分を喜ばせられるかを知る努力をしている参加者が多く、具体的な内容としては、「ヨガをする」「一人の時間をもつ」「チョコレートを常備」「木と話す」「友達とおしゃべり」「自分で自分を褒める」といったことが挙げられました。

また、出来ないと思う事をやってみたら、家事や育児は私の仕事という固定観念から自由になれたといった、経験談もありました。

まきさんからは、自己分析をして自分をケアするチャンネルを見つけること自体が自己ケア。これを楽しみの一つにして欲しい。といったお話もありました。

ケアしてもらう相手としては、ご主人や友人、コーチやカウンセラーなどプロに頼って自分をみつめる時間を定期的にとっているということでした。

最後に、それぞれからお母さんへのメッセージで会は締めくくられました。

えむ 話す=放す
ともみ まず自分を満たす
ロケ 自分に優しく甘く
直子 それで完璧!

トーク部分の動画を公開していますので、ぜひ海外で働く4名の登壇者の生の声をお聞きください。

 

司会より付記

後日直子さんから「完璧の璧の字が間違えてました!」という訂正があり(ちなみに私は全く気づきませんでした!)、よい機会なので登壇者の皆さんに一言付きの写真を送っていただきました。みんなとってもいいスマイルです! ありがとうございました!

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また、智美さんから後日談として、飛行機では安全のしおりに、酸素マスクをつけるのは子供ではなくまず大人からとある。それと同じように、「酸素マスク(ケア)はまずケアする人から」。子どものケアをする前に、大人のケアが必要なんですよ、という一言もいただきました。

 

イベントの後日談と感想を直子さんがブログにしてくださいました!
とっても心温かいエールになっています。ぜひ一読ください。
​助産師Naokoのゲンキよく育児! from London

 

2 comments

  • 【参加者さんの声】

    10月 19, 2019 at 12:00 am

    イベント後、じわりと来た感想があったので遅くなりましたが送らせて頂きます。

    イベント直後は、自分に優しくしてあげようと思いコーヒータイムが多くなった気がします笑
    その後、子ども達(中学生・小学生)と接するに当たり、
    子ども達自身が自分でセルフケアを上手にできるようサポートしてあげれる母でありたいなぁと思いました。

    子ども達にとって、両親が日本人でありながら海外に住んでいる状況。
    その中で自分のアイデンティティと向きあう時間の多い中学生。
    言語問題、友人問題、勉強問題、など彼らが背負っているプレッシャーを母も真っ向から受け止めているので私自身も一喜一憂してしまう海外生活。親自身が経験していない海外での学校生活であるだけに状況把握も困難を有する。ならば、彼ら自身が自分たちでセルフケアをうまくできるようサポートすると私自身も楽になれるのでは。
    そんな感想がじわりじわりと感じました。

    秋田様がおっしゃっていたと記憶しているのですが、「日本ではセルフケアを教える機会がない」という言葉に私も大きく頷きました。セルフケアができること=自立。改めて、子育ての原点回帰した機会を頂きました。
    感謝申し上げます。ありがとうございました。ぜひぜひまたお願いします!

    Reply

  • 【参加者さんの声】

    10月 19, 2019 at 12:20 am

    先日のイベント、参加してよかったです。
    いろんな自己ケアの方法を知れればな〜くらいで思ってましたが、
    その方法は様々で、そもそも、ケアって何?とか、
    自己ケアとは? ってことを考えることができたのが良かったです。

    「今のままで完璧」(でしたっけ?文言すこし違ったらすみません)
    って言う一言を登壇者のどなたかが最後に書いておっしゃっていたのですが、
    それを聞いて、思わず涙、、、でした。

    最近、小さい子供の育児の疲れとイライラ、生活の閉塞感でいっぱいでした。時々この波が来るのですが。。。
    何かした方がいいとは思うけど、何もしたくない。。。でもつらい。。。
    そんな感じでした。
    で、数日前にたまたまネットで見つけて参加しましたが、
    小さな一歩を踏み出せた感じがします。
    これを機に、また浮上するぞー!という気になってきています。
    そして、もしまた気分が落ちても、それを否定せず、観察して味うようにしていきたいな〜と思ってます。

    こころのヘルプデスク、まだ利用したことはないのですが、
    今度、利用させていただきたいと思っています。

    これをボランティアでなさっている方がいるなんて、素晴らしいです。
    そして、皆さん自分らしく生きる道を見つけていらっしゃる方ばかりで参考になりました。

    ありがとうございました!

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